角田裕毅、アメリカへ挑戦:ホンダとマイヤー・シャンク・レーシングが拓くF1の先にある新章
レッドブルF1のリザーブドライバーを務める角田裕毅が、ホンダの強力な後押しのもとマイヤー・シャンク・レーシングからインディカーのテストに参加。F1「9月最優秀オーバーテイク賞」を受賞した才能が、新天地アメリカで新たなキャリアを切り拓く。
アラバマ州バーミンガム — F1という極めて狭き門のドアが閉ざされようとするとき、大西洋の向こう側、アメリカのハイアドレナリンなオープンホイールレースの世界で新たな扉が開かれようとしている。
2025年シーズン限りでレギュラーシートを失い、レッドブルおよびレーシング・ブルズのテスト&リザーブドライバーへと転身した角田裕毅が、プロキャリアにおける劇的な新章へ向けて動き出した。米モータースポーツ専門メディア『RACER』の報道によると、角田は10月26日、アラバマ州バーバー・モータースポーツ・パークで開催されるインディカー・シリーズの評価テスト(Evaluation Test)において、マイヤー・シャンク・レーシング(MSR)のステアリングを握る見込みだ。
この戦略的テストの背景には、角田のキャリアを長年支え続けてきたホンダの強力な存在がある。2026年のインディアナポリス500(インディ500)を制したMSRは、ホンダ陣営において最も競争力の高いトップチームの一つだ。2027年シーズンの即時フル参戦シート確保はロジスティクス面から容易ではないものの、モータースポーツ関係者は、今回のテストを2028年以降に向けた長期的なドライバー陣容構築の重要な第一歩と捉えている。
アメリカでのテスト報道の一方で、角田の鋭いレースクラフト(バトル技術)は今なお世界で高く評価されている。F1機構は今週、オランダGPでの代役参戦時にピエール・ガスリー(アルピーヌ)に対して見せた見事なオーバーテイクを称え、角田に9月度の「Overtake of the Month(月間最優秀抜かれ賞)」を授与した。
「欧州でもアメリカでも、マシンに乗り込む以上、目的はただ一つ『攻めること』だ」と角田はテストへ向けた意気込みを語る。
圧倒的なダウンフォースと圧倒的な肉体的負荷を誇るインディカーのマシンを体験する26歳の日本人ドライバー。その挑戦は、世界のトップレベルで培われた才能がアメリカの地で自身のレガシーを再定義する、新たなトレンドの象徴となるだろう。